父の誕生日に思うこと

ひな祭りです。2016年の3月3日は、何故この日が祝日ではないのか?という問いが想起されました。父は、まだ存命ではあるものの、5年前に体調を崩して以来、右半身が不随の状態になっています。栃木の中学を卒業してから神奈川県の港にほど近い工場へと就職し、以来40年以上ひとつの会社に勤務してきました。叩き上げのモーレツ社員で取締役まで登りつめましたが、タバコの吸い過ぎで血管が詰まるという我が家のおっちょこちょいDNAが見事に炸裂し、定年間近でタオル投入という事態になりました。趣味もほとんどなく、酒も女も興味がない仕事人間でしたので、親父 - 仕事 のイコールが限りなくゼロに近づいてしまい、退院後数年は廃人の様になってしまいました。そのような父の姿を見ることは非常に辛かったですが、今となってはリハビリを楽しみ、1日中映画を見て余生を謳歌しているので結果オーライといったところです。40年間1つの会社に勤めた経験があると、転職やベンチャーなどジョブチェンジによるキャリア形成についてはネガティブになってもおかしくないのですが、時流を正しく理解しており、現代社会では1社で出世街道を登り詰めるよりも、本質的な実力をつけたほうが良い、という発想から、私の転職も背中を押してくれました。彼が取締役になる内示が社内で出た時、それまで本などほとんど読まなかったくせに、いきなり「7つの週間」と「7つの週間 ワークブック」を買ってきて、「これを読んでマネジメントを学ぶんだ。これまで組織の勉強なんてしてこなかったからな。ハハッ」と言っており、とてもかわいらしいと感じました。彼の背中を見て育ってきて、彼のような大きな背中を自分の子供にも見せたいなと思います。いつか父さんみたいに大きな背中で。