同僚が初の海外旅行に旅立ちました。渡航先は、僕が敬愛してやまない国、ベトナムです。ベトナムは2009年3月が一番最初だったかと思いますが、私が学生生活を送った2007年4月〜2011年3月迄の4年間で3度訪問し、学生時代に唯一リピートした海外国となりました。ベトナムを愛した理由は様々ありますが、当時建築家を目指していた自分に、ビジネスの世界へと舵を切り替えさせるだけのパワーがベトナムにはありました。3度の訪問の度にめまぐるしく変わる景色。日本よりも遥かに整備されたWiFi環境。オンラインゲームを楽しむ若者。
2009年〜2010年はまだiPhoneの普及前で廉価なAndroid端末やMP3プレイヤーを持ち歩いている人が多く見かけました。しかし当時から圧倒的なインターネットとの親和性を感じ、既に CyberAgent Ventures はベトナム拠点をオープンさせ、外資系VCとしては極めて早いタイミングでベトナム市場に参入をしていきました。その後、5年間のうちに、ベトナムでVCといえばCAV、という立ち位置を確立していったように感じます。当時の責任者だった益子さんは Pizza 4P's をオープンさせる為独立。後任のDzungさんがその後の CAV Vietnam を更に飛躍させていきました。
私がVCを志したのは、この益子さんやDzungさんとの出会いがきっかけです。VCを志す前はずっと建築家になりたいと思ってきました。自分の寿命よりも長く残り、人生を見守る「建築」を創ることによって幸せを提供したい、住む人に快適な空間を提供したいという思いで建築家を志していました。VCがリスクマネーを投じ、創業時の起業家を後押しすることによって企業が産まれ、雇用が発生し、社会に付加価値が提供されるというループを進めていくと、建築物が提供できる幸せの総量を上回るのではないか、という期待を持ちました。
同僚が、始めての海外旅行、始めての飛行機搭乗に対して恐怖を覚えていました。同僚は30代男性ですが、これまで海外へ一度も行ったことがない、ということを恥じていらっしゃいました。私は、何かを始めるのに遅すぎるということはない、とお伝えしました。VCへの参入は些か早いタイミングでのチャレンジをさせていただいたような気がしていますが、何かを始めるタイミングは、ただの記号です。早いか遅いかではなく、人生を終える時に、自分が属した社会に対してどれくらいの付加価値を提供できたのか、そして、自分が残してしまった後悔の総量を最小化できたか、という2点に尽きるかと思います。
物事を始める時に、ああ、もう遅いかな、と思い立ち止まることがあるのであれば、それは凄く勿体無いです。英語を始めよう、プログラミングを始めよう、などなど。何かを始める時に遅すぎるということは絶対にありません。歌手の玉置浩二さんは歌手は50代から味が出てくる、最初から50代に照準を合わせていた、と仰っていました。フルマラソンのマスターズは80歳の日本記録で3時間30分。世界記録は80歳だと3時間15分です。どこに照準を合わせるかはその人の自由、ということは、いつ始めても遅すぎるということはないのです。
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