虚構が真実を飲み込む社会

とあるメディアサービスが議論を呼んでいます。
無断でコピペしているのか、それとも事前に了承をとっているのか、という大前提はあるものの、次に来る論点としては「様々なサイトから情報をつなぎ合わせて見やすくしているという価値を提供しているように見えて、実はごった煮の曖昧情報を提供していること」についてのアリかナシかという話なのではないかと個人的に整理しています。
上場企業がやっていいのか?というモラルの問題もひとまず脇に置いて考えてみると、今世界で起きていると思われる、面白いバイアスが浮かび上がってきました。それは、「インターネットに載っている情報は全て正しい」「インターネットで調べれば、全部わかる」という、期待感です。
「POST TRUTH」という言葉に代表されるように、いつの時代からか、インターネットに間違った情報を載せるのは悪であり、インターネットに載っている情報は真実である、というような観念が生まれたように思います。
世界中でインターネットを利用しているユーザーの数は30億人を超え、人口普及率は8割を超えていると言われています(失礼)。そのような巨大なインフラになったからこそ、正しい情報発信を「やって当然だろう」という観点があるような気がしてなりません。
「死にたい」というワードで検索してきたユーザーに対して恣意的に変な情報を届けるのは倫理的に同意しかねますが、倫理というのをインターネットに持ち込むのもなんだかおかしな気がしてきました。
今や私たちは息を吸うかのごとくGoogleやFacebookを利用してしまっています。調べれば出て来る情報に慣れきってしまわぬよう、見極める能力を高めていきたいと思います。