どこにも落ちていない一次情報を取ることの意義

インターネットが整備され、世の中に情報が広まる速度が一気に上昇しました。SNSの普及により、更に情報伝達が加速し、流通する情報の質量が増加。スマホの普及によって、アクセシビリティが高まり、いつでも情報に触れることができるようになりました。電車内で周りを見渡すと、スマホを触っている人を必ず一人は目にすることが出来ます。

インバウンドに関する情報も同様で、2014年〜2015年、訪日客が急増したタイミングでマーケットが急速に立ち上がり、現在もプレイヤーの参入が相次ぎ、様々なプレイヤーがポジショントーク(※本エントリ含む)を繰り広げる中で、メディアが取り上げる情報量も爆増し、インバウンドに関する 二次, 三次 以降の情報が、大量に溢れるようになりました。

弊社のインバウンドリサーチサービスでマーケティングを担当するお客様とお話させていただいていると、殆どのお客様が「まだ誰も気付いていない、隠れた真実」について、関心を寄せられています。まさにピーター・ティールが著書「ゼロ・トゥ・ワン」で書いていた内容です。インバウンドに注力されているお客様は特に、仮説を持っておられます。それを検証するために、一次情報を獲得できる場所を探し求めています。

ネットリサーチは、手軽で、安く、早く集計することが出来ます。在日外国人の方をパネル化したリサーチに関しても、同様です。非常に安価に実施することができ、一定のニーズがあると感じております。しかし、厳密には、訪日中のお客様と、 帰国後のお客様, 在日外国人の方 では、インサイトやニーズが異なっている、と感じます。特にその1°のズレが、大きなマーケティングコストを割いていくと、次第に極めて大きなズレになっていき、大量のリソースを投下したにもかかわらず、仮説が違っていることが後から分かった、ということにもなりかねません。

どこにも落ちていない、価値のある一次情報は、自ら労力を割き、火中の栗を拾いに行くような行動を取らなければ、どこかから降ってきたり、誰かから教えてもらえたりするものではありません。情報を取捨選択し、正しい意思決定をすることで、訪日客がより楽しんでいただけるようなサービスがもっともっと増えていってほしいと考えています。