経営2.0

今日はかなり抽象的な話を。

今年の始めから、代表と「経営って時代とともに変化していくべきだよね」という内容を議論していました。

時代の変化(経年)によって人材の特性や情報入手の経路が変化し、働く人にとっての"働く意味"も当然変化していく中で、「経営」という手法・概念自体も時代の潮流に合わせて変化していくべきなんじゃないか、という話です。

そういった、言うなれば「経営概念の変化」のようなものについて、今日のエントリでは書いていきたいと思っています。

※勿論会社の文化、成し遂げたいビジョン、取り組まれている産業や事業領域によってそれぞれ経営の手法というものはあってよいと思っておりまして、「1.0」が古くて駄目で「2.0」が新しくて良い、といった論旨ではありません。あくまで、経営の手法が変化してきているのではないか、という意味合いからの1.0→2.0、という文脈で整理を試みるエントリです。

結論:トップダウン/コマンダー/率いていく圧倒的リーダーの経営1.0から、ボトムアップ/内発的/自燃する組織を創る経営2.0への変化(螺旋的発展)

私はもともと現在の投資育成事業に配属される前は広告代理店の営業マンでした。

なので、組織で定義した毎月の売上/粗利目標に対してチーム毎に戦略を立てて営業をかけていく、という仕事をしていました。

営業マンをいかに組織し、効率的に配置し、ROIを最大化させ、営業に競合排他が可能な武器となる商材を届けるか、といった発想です。

営業部隊というのは特に「熱量」が大事で、売上が伸びている感触や会社がドライブしている様子、スピードが増している手触り、自分の営業行動が全社数字にダイレクトに直結しているといった感覚を醸成することが極めて重要なんじゃないかと思っています。(※私見です)

そういった企業においては、やはり圧倒的なカリスマセールスが一人以上居ると、組織全体をドライブさせやすくなると思っています。

これを我々の投資業に当てはめて考えると、営業がカギとなる事業については、トップである社長自身がまず誰よりも営業を取ってこれる、といった圧倒的なセールス能力が重要であると考えています。(※一方でフリークアウト佐藤さんの言う「クソジーコ問題」にはケアしなくてはなりません)

この組織体を突き詰めていくとどうなるのでしょうか。

起こりうるワーストケースとしては、トップの指示が無ければ動けない組織、ミドル層が育っていない中空型組織、自発的思考ではなく組織目標ありきで動く受動的営業組織、といった状況が考えられます。

組織で働く人間(今後入ってくるor既に入ってきている新卒人員)のキャラクター、人物像もここ数年で大きく変化していっていると感じます。

私は2011年入社の年次ですが、2014年入社の社員と、我々の代と、2006年入社の社員では、働くことへの姿勢や価値観が極めて違っていると思っています。

その状況下においては、過去に通用した価値観をいかに戦略的に効率的に浸透させていこうか思案し実行したとしても、短期的な成功は収めるものの、長期的には自燃性の人材が育たず、本質的なカルチャーフィットができず、結果として「多くの新卒社員が入社後3年以内に転職する」という事象に帰結しているのではないでしょうか。

この状態を打破するにはどうしたら良いのでしょうか。一つの、確からしい仮説として見えてきている(実際に伸びている会社を見ていて思う)こととしては、自燃性の社員を育成し、自発的な貢献の文化を創ることに成功しているケースです。

トップが強烈なリーダーシップをもって組織を率いることはいつの時代も変わらない普遍的な要素です。そこに「加わる」形で、組織内の自発的な貢献意欲を刺激するようなコミュニケーションや文化作り、環境構築に成功している会社は、大きく、しなやかに伸びていることが多いです。

そんなわけで、今後は「経営2.0」というマネジメントの形が現時点における理想型になっていくのではないか、という観念的四方山エントリでした。