ベンチャー投資を始めて1年経った感想

CAVの三田です。

ベンチャー投資を始めて1年が経ったので、自己紹介を兼ねて、1年間で感じたことを纏めます。

・投資家を目指してサイバーへ入社

少し変わった動機なのですが、私はCAVというベンチャー投資を行う会社に入りたくて、サイバーエージェントを志望しました。

東南アジアを旅するのが好きな、よくいるバックパッカー系の大学生だった私は、ベトナムを訪れた際にひょんなことからCAVベトナム支社を立ち上げ中の益子さんという方にお会いしました。

益子さんは2010年当時、原付バイクに跨がりベトナムの渋滞をかき分けながら投資できそうなスタートアップを探す(正確には"駆けずり回る")という、「ド」ベンチャーな仕事をしていました。

当時、ベトナムは東南アジアにおける次なるIT新興国となりうる可能性が僅かながら見えていたタイミングでしたが、日系企業の進出は中韓や欧米諸国に比べて大きく出遅れている状態でした。

そんな中、日本でブログ事業を営むIT企業がファンドを創って投資をすべく奔走している様子と、既存の企業が資本と知見をもとに新たな産業と雇用を生み出すということに大きな衝撃を受けました。

2011年4月に新卒としてサイバーエージェントへ入社し、まずは事業立ち上げについて真剣に向き合うべく、新設された子会社のスマートフォン広告の代理店立ち上げに従事しました。

子会社でコンサルティングチームを立ち上げた後、2013年12月から創業間もない・ベンチャー企業に投資を行うCAVへ所属し、約1年が経過しました。

自分自身の思い描いていた通りの職業に就いた結果、毎日がジェットコースターのような振り幅の中エキサイティングな業務をさせてもらっています。

最初の1年は毎日悔しくて奥歯が砕けそうな瞬間ばかりでしたし、その状況は今でも全く変わらないどころか、日々「喜楽」と「怒哀」の振り幅が大きくなっています。

・若くして投資家になるべきか?→なるべき(ただし、事業経験を積んだほうがベター)

結論、起業家を経ずに投資家になる、というキャリアはもっと一般的になるべきだと感じます。

日本における起業環境が成熟した結果、起業家が起業家になる年齢は年々下がっています。

中学生で起業を志しているエンジニア社長や、19歳で資金調達する社長など、CAV主催の朝食会でお会いする方々も、ほぼ全てが30歳以下となっています。

2014年の春ごろ、ベンチャーキャピタル発祥の国アメリカでは、”若くしてベンチャーキャピタリストになるべきか”というテーマで議論がありました。

アメリカにおいて、特にインターネット産業については、投資家になる前に自分で何らかの事業を起こし、成功をした”元アントレプレナー”として投資の道へ進むことが多いと理解しています。

私の場合成功体験はおろか起業経験すら無い状態で、ベンチャーキャピタルの世界に飛び込みました。

これは個人的な意見ですが、事業経験をある程度積んでからベンチャーキャピタルへと入られた方が、結果的に成果は出やすいのではないか?と思います。

というのも、「会社が新しく立ち上がっていく様子」を当事者として体感出来たことが非常に大きな資産として残っているからです。

・若くして目立つベンチャーキャピタリストはもっと増えるべき

ソフトバンクや楽天を超える時価総額のベンチャーが、もっと日本から出てこなくてはいけない。孫さんや三木谷さんを超える経営者が、もっともっと生まれなくてはいけないと思っています。

その為には、とにかくたくさんの起業家と、大きな勝負を仕掛けること。若いベンチャーキャピタリストの数ももっともっと増えてよいと思います。

若くして急成長しているベンチャーキャピタリストはまだ母数があまり多くないと感じておりますので、まずは自分も”若い起業家の成功を手助けできるベンチャーキャピタリスト”となるべく、頑張っていきたいと思っています。

※若くして独立され、既に数多くのスタートアップを成功に導かれているANRIの佐俣アンリさん、Skylandの木下慶彦さんは心から尊敬しております。拝。

・英語がかなり大きな差になる

その他気付いたこととしては、英語が使えることが大きなアドバンテージになるな、ということ。

私は今年、幸いなことに(?)日本語がほとんどど分からないメキシコ人(English Native)を支援させていただく機会があったため、情報リソースの広がりやネットワーキングの可能性の大きさを垣間見る事が出来ました。

日本では、私含め「読むことはできるが話すのは苦手」という人が非常に多く、「日本語の話せない海外の起業家・メディア」との情報交換が億劫になってしまいがちではないでしょうか。

日頃から海外のコミュニティにアクセスしている人物と情報交換をすると、どれだけ自分が狭いスコープを通して物事を見ていたのか強制的に気付かされます。

情報の入手速度が速く、質も非常に高い価値のある情報が"日本語以外で"交換されている、という事実を感じます。

自分自身も日々特訓中の身ですが、もっと英語が使えるようになると良いなぁという所感でした。

・サービスはじっくりと理解したほうがいい

もう一つ大事なこと。それは、「多くのアプリやサービス、産業を知れば知るほど、わかった気になってしまう」ということ。

人間は非常に優秀な頭脳を持っている為、似たようなものを関連付けて覚えようとします。「ああ、このサービスは前にあったアレに似ているな」といった感覚、皆さんもご経験があるんじゃないでしょうか。

これが結構厄介な病気だと思っていまして、使い込んでみないと分からないところにとてつもないチャンスが眠っているのに、それを理解する前に見落としてしまう、ということが往々にして起こります。

The Bridgeのような最高に便利なメディアがあり、Product Huntみたいなサービスもあり、さらにはfacebookで日々いろんなサービスのローンチニュースが次から次へと飛び込んできます。

当然、一つ一つのサービスに触れる時間は相対的に少なくなっていきます。そして起こるのが「わかったような気になる」状態に陥り、結果「間違って理解する」または「重要なポイントを見落とす」。

キャピタリストとしては、これが一番やったらアカンことだなと感じた一年でした。

2014年も大変お世話になりました。

スタートアップ界隈のみなさん、2015年もどうぞよろしくお願いいたします。