モラハラの罠

モラハラの定義について調べていて面白い記事を見つけました。この記事では男性からモラハラを受けている女性についての記事でしたが、以下のような特徴がモラハラの定義でした。

(1)暴言を吐く
 「お前ほんとにバカだよね」「生きてる価値ないんじゃない?」といった人格を否定する言葉や「誰のおかげで生活できてると思ってるんだ」「俺がいなくなったら生きていけないだろ」などと自分の優位性を誇示し、見下したような発言がこれに当たります。
 (2)無視をする 
喧嘩をすると数時間~数日はお互いに口をきかなくなるカップルもいるかと思いますが、そういう場合は除きます。喧嘩が発端だとしても ・数カ月にわたって無視をする状態が続く ・それが喧嘩のたびに繰り返される といった傾向が見られる場合は注意が必要です。
 (3)態度で脅す 
気に食わないことがあるとドアを蹴とばす、扉をわざと大きな音で閉める、テーブルを叩く、「チッ」「クソ」などの舌打ちなどをする。言葉で何かを言わずとも、威嚇するような言動をとってパートナーを怖がらせます。 
(4)経済的に困窮させる 
これは主に夫婦の場合になりますが、同棲しているカップルにも言えます。家庭の維持費を入れない、お金をギャンブルなどにつぎ込み借金を作るといった行為。一緒に住んでいなくても、自分の借金を彼女に払わせる、お金を無心する、という行動も、この「経済的に困窮させる」という行為に該当します。

上記を見て、仮にこれがモラハラの定義だとするならば、どうやらモラハラというものは、自分自身にもはっきりと身に覚えがある行為なのかもしれないと感じました。ちなみに、自分が今までモラハラを受けていたという認識は全くありませんでした。むしろ自分自身の至らなさが引き起こした叱責であり、全て自己責任であると考えていました。もちろんその考え自体は変わることはありませんし、過去の自分を正当化するつもりも毛頭ありません。ただ、自分はモラハラに遭っているのだという認識が自分自身に持てていれば、当時の私はもっと違う行動が取れたのではないか?と強く思いましたので、今モラハラに遭っていそうな方に対してシェアできればと思い、誰も見ていないこちらのブログで本記事を書くに至りました。これが一体誰のためになるのか、と考えると、結局は自分のためということになります。

さて、モラハラを受け続けると、自分自身の精神的な変化が内面・外面ともに様々な形となって現れていきますが、最後に待ち受けているのは「自尊心の崩壊」だと考えています。モラハラを仕掛ける側の目的は極めてシンプルで、「自分が相手をコントロールしたい」ということだと思いますが、そのコントロールをする上で障壁となるのが相手の自我であり、自我に強い影響を与えているのが自尊心です。人は自尊心を攻撃されると、最初は反発しますが、段々と相手が合っていて自分が間違っているような気がしてきます。自我が「揺らぐ」ような状態です。ここまで来ると非常に危険な状態です。モラハラは家庭内や職場内の一部の限られた空間で起こることが多いと個人的には思うのですが、更に事態を悪化させるのが、誰かに相談をした時の「あの人はそんなことするような人じゃないから。」という自分の認識とのギャップです。人に相談することを憚るような内容を、信頼できる人に対して開示したにもかかわらず、自分の認識が誤っていると指摘を受けた時、人はどのような状況に陥るか。それは、自分自身の認識が誤っていて、相手の主張が正しいんだ、と思うようになっていきます。何故そうなってしまうのかというと、これは私の仮説ですが、人間は環境に違和感を感じたまま生きる事ができる程強くなく、適応力が高すぎるため、自己を周囲の環境に適応させようとする力が働いてしまうためだと思います。

この状況が積み重なっていった最後に、人間には何が待ち受けているのでしょうか。いくつかのパターンに整理することが出来ると思います。

・自分自身がされた仕打ちと同程度、もしくはそれ以上の仕打ちを誰かに食らわせる
・自我を保つためにもう一つの人格を他で持ち、浮気や不倫をする
・感情を保とうとする反動で、情緒不安定になる

・自分自身のあるべき姿とのギャップに苦しみ、自律神経をはじめ精神に異常が出る

・自分自身の存在する環境に終止符を打ちたくなり、失踪or自殺する

こうしてパターンを整理すると、基本的には社会にとってあまり良くないことが連鎖的に発生していくということになります。そして、モラハラを受けた人が更に別の人をターゲットにすると、さらに予備軍が増えていくことになります。これは、精神的荒廃の連鎖と言えるでしょう。では、モラハラにあったら、どうすべきか?もし交際しているなら、別れるべきです。もし結婚しているなら、離婚をすべきです。どうしても拘束される理由があり自分を離脱させることができない場合を除き、その場から去るべきです。是非、勇気をもって逃げていただきたいと思います。モラハラに遭った場合、自分の精神状況によっては正常な判断ができなくなっているため、自分自身に改善すべきところがあるのではないか?と考えるべきではないと考えています。考えることなく、自分自身が密接に関わる人物からモラハラだと感じた行為を受けたならば、その場を去るか、関係を絶った方がいい。それが私の意見です。

モラハラを仕掛けてくる人は、治ることはないというのが私の意見です。なぜならば、張本人が拠り所にしているのがモラハラによる自己の存在肯定だからです。自分自身を保つために誰かを罵倒し、屍の上に立脚することで自我を保っていくというスタイルなので、モラハラをやめるということは自分自身の今までの否定にほかなりません。言い換えれば、モラハラをしなければ自己を肯定できない状況にある人、ということです。モラハラを辞められるような人は最初からモラハラ等していません。そんなことをしなくても自我を保てるからです。私の場合、苦境から逃れたことにより客観視できるようになりましたが、様々な制約を背負うことになりました。今後の人生の利益率を高めていくことで、取り返すべく頑張っていきたいと思います。